2010/08/09

ThinkPad L412 レビュー


メーカー公式サイト
Lenovo ThinkPad Lシリーズ - 製品概要





注文した構成など
  • Core i3-350M (2.26GHz, L3 3MB, 1066MHz, TB非対応)
  • Windows 7 Home Premium 64 正規版
  • 14.0型 LEDバックライトHD液晶(1366×768, 光沢なし)
  • Intel HD Graphics, TPM搭載
  • 2GB PC3-10600 DDR3 (1スロット使用)
  • 日本語キーボード
  • ウルトラナビ(TrackPoint + タッチパッド)、指紋センサーあり
  • 内蔵カメラ・モジュール 2.0メガピクセル
  • 250GB HDD, 5400rpm
  • DVDスーパーマルチドライブ(内蔵)
  • 9セル Li-Ion バッテリー
  • 65W ACアダプター(標準添付)
  • 内蔵Bluetooth(2.1+EDR)
  • Intel Centrino Advanced-N 6200
この構成で73,395円ですが、週末限定クーポン(5,000円)を適用したので68,395円でした。
(その次の週に1万円引きのクーポン出たけど・・・)
主な変更点は、64bit、指紋センサー、9セルバッテリー、Bluetooth、Centrino ですね。メモリやHDDは不満が出たら追加する予定です。そのためにOSも64bitにしてあります。

直販のCTOモデルなので、届くまでに結構時間が掛かります。
今回は2週間近く掛かりました。
 7/25 注文
 7/28 出荷メール
 8/2 納品予定メール
 8/4 納品

ダンボールには大きな"ThinkPad"の文字
梱包は結構丁寧
ThinkPad本体


デザインとサイズ

ThinkPadらしい見た目ですね。MacBookなどとは真逆の印象を受けます。テッカテカの国産ノートよりは良いです。

本体の大きさは344×233×32~36mm(幅×奥行き×厚さ)で、重さは約2.37kg(公称値)です。奥行きは意外と短く、13.3インチ並。9セルバッテリーは2cmほどはみ出し、重さも少し重くなります。
iPod touchと比較
材質はよくわかりませんが、汗や埃が目立ちやすいです。夏場はPC自体の発熱もあり、汗をかきやすいので、もう少し目立ちにくい素材にしてほしかったです。

モバイルには向きませんが、大容量のバッテリー、非光沢の液晶、それに加えて指紋センサーまで備えるていることを考えると、持ち出すのもアリかと思いますが、重いので疲れます。

Windowsのプロダクトキーは本体底面のバッテリー接続部分に貼ってあります。



拡張性

底面。多数のネジ穴が見える
<左側面>
 ・VGA
 ・eSATA(USB兼用)
 ・DisplayPort(映像+音声)
 ・Gigabit Ethernet
 ・ExpressCard34
 ・マイクロフォン/ヘッドフォンコンボポート
<右側面>
 ・USB2.0 x2
 ・DVDドライブ
 ・7in1カードリーダー
 ・無線ON/OFFスイッチ
<背面>
 ・Powered USB
 ・バッテリー

L412のポート類は上記の通り。HDMIはありませんが、代わりにDisplayPortがあります。USBはeSATA兼用などを含めると全部で4つ。このサイズのノートでは十分です。ちなみに"Powered USB"はLenovoの独自規格ですが、USB2.0と互換性があり、普通のUSBより電力供給が大きいです。しかも電源オフでもiPodなどの充電が可能。

※eSATAはポートマルチプライヤとPower eSATAには対応していないみたい。ちょっと残念。

本体底面には多数のネジとカバーがあります。分解は容易で、メモリやHDDはもちろん、CPUの交換もできます(メーカー保証外だと思いますが)。

左右側面のUSBポートなどがある部分は少し奥まっているので、「本体から5mmしか出ない!」とかいうUSBメモリやマウスのレシーバーは見事に収まります。反面、差込口が見えにくいという欠点もありますが、パームレストの両端に各種端子の刻印がされているので、それを見れば端子を直接見なくても差し込めます。
端子の刻印がされている
※右側面のUSBポートは狭いので、小型のUSBメモリやレシーバーを差し込まないほうがいいです。取り外すのに苦労します。

DVDドライブはもう少し静かだといいんだけど。



ディスプレイ

今回は非光沢のモデルを注文。グレアタイプと比べると鮮やかさでは劣りますが、映り込みが少ない・目が疲れにくいなどのメリットがあります。なにより、自分の顔が映り込まないのがいいです。

視野角はよくわかりませんが、PC Watchのレビューでは「若干広め」だそうです。画面輝度は最大で丁度いいレベル。液晶は180度まではいきませんが、かなり開きます。膝上での使用も問題なし(発熱を除けば)。

解像度は最近主流の1366×768で、CTOでの変更は不可。14インチともなると、縦は900くらい欲しいですね。CTOなわけだし。
光沢・非光沢を選択可能(画像は非光沢のタイプ)
ディスプレイ上部には2.0Mのカメラとマイクロフォンを搭載しています(CTOで追加した場合)。まだ使っていないので良し悪しは不明(・・・使う機会あるのだろうか)。

ディスプレイ下部にはスピーカーがあります。音質は良くないです。ThinkPadに限らず、ノートPCの内蔵スピーカーはあまり良くないです。外付けのスピーカーを使用するか、ヘッドフォンなどをオススメします。

ヒンジは頑丈ですが、意外と力をかけずに開閉できます。本体前面のスリープ、バッテリーのランプの部分が少し凹んでおり、そこに指をかければ、指1本でもディスプレイを開けます。



キーボード周辺

キーボードは6列で、従来のThinkPadのような7列ではありません。他社の(一般的な)ノートPCの配列に近いです。注意すべき点としては、Deleteキーが1番右上に無いこと。1番右上はEndで、その左がHome。さらにその左がDeleteです。他社に近い6列にするなら、そのあたりも他社に倣ってほしかったです。私はDeleteを頻繁に使うので、ここは残念ですね。

キーボードは防滴。CTOでは英字も選択可能。
特徴的なKB周り。Deleteの位置が残念。
カーソルキーは特によく作り込まれています。普通のキーのキートップは少し凹んでいるのに対し、カーソルキーは少し盛り上がっています。また、FやJキーのような小さな突起があるので、PgUpやPgDnと間違えることもないです。

←↓→キーは隣のCtrlよりも少し下がっており、↑キーの左右にはPgUpとPgDnがあります。私はよく使うので、これはかなり嬉しいです。

キーストロークは深め・・・なのかな?あまり詳しくないのでよくわかりませんが、カチャカチャという安っぽい音はしません。個人的には打ちやすくて良いキーボードです。

L412は14.0インチ、L512は15.6インチですが、両方ともテンキーはありません。最近はテンキーを搭載するタイプが多いですが、おかげで配列が不規則になったり、一部のキーが小さくなるなどの弊害もあります。Lシリーズはテンキーの代わりに、HDDのアクセスランプなどのインジゲーターや音量調節のボタンを搭載しています。テンキーのせいでキーボードが打ちづらくなるよりは遥かにマシです。

キーボード右側にある電源ボタンやインジケーターは緑色に、反対側のマイクロホン消音ボタンとスピーカー消音ボタンは使用時に橙色に光ります。右側のランプは上から順に、無線LAN, Bluetooth, HDD, CapsLk。

ちなみにLシリーズと価格・構成の近いEdgeシリーズにはインジケーターどころか、HDDのアクセスランプすらありません。





UltraNav(ウルトラナビ)

Lenovoでは、トラックポイントとタッチパッドの組み合わせを "UltraNav" と呼んでいます。
タッチパッドは使いづらい

タッチパッドは2本指による操作(スクロール/拡大/回転)や3本指のタップに対応します。L412はタッチパッド表面に細かい凸があり、個人的には使いづらいです。というか、トラックポイントが快適なのでタッチパッドはOFFにしています

トラックポイントでは中クリックを押しながらトラックポイントを動かせば縦横のスクロールが可能(マウスの中クリックとは別物)。

キーボードからほとんど手を離さずに使えるのも非常に楽です。タッチパッドでのマウスジェスチャも便利ですが、トラックポイントとキーボードショートカットを組み合わせたほうが速いかも。

トラックポイントはデフォルトではかなり速いので、遅めに設定すると使いやすいです。



指紋センサー

上手く撮れなかった
今回は指紋センサーを追加して購入しました。登録できる指は両手の10本まで。Windowsのログオンや各種プログラムのパスワードにも使用できます。TrueCryptの無茶苦茶長いパスワードも、指1本ですぐに解除できます。指紋センサーの追加費用はたったの1,155円でした(執筆時)。



バッテリー

BBenchを使って測ってみました。
バッテリー100%の状態で、
・画面輝度最大
・10秒毎にキーストローク
・20秒毎にWeb巡回(無線LAN)
結果、19867秒(約5時間30分)で残量5%になり、休止状態に移行。

バッテリー100%の状態で、
・画面輝度最大
・10秒毎にキーストローク
・20秒毎にWeb巡回(無線LAN)
・iTunesで音楽再生(Bluetoothヘッドフォン使用)
結果、14484秒(約4時間)で残量5%になり、休止状態に移行。

9セルバッテリーは公称値で8時間なので、通常の使用で7割、高い負荷をかけても半分持てば御の字です。(ちなみに5%から100%に充電するまでには3時間掛かりました)。

※ACアダプターは充電時や高負荷時にかなり熱くなります。涼しいところに置きましょう。
ACアダプターは2ピン。コードも細め。



付属ソフト

L412には国産ノートのようなメディア系のソフトは全く無く、代わりにユーティリティやメンテナンス系のソフトが多いです(アップデートやドライバーの管理、BIOS情報、バックアップ、等々)。デスクトップにもアイコンが全くありません(i-Filterのインストールショートカットとごみ箱しかない)。主なソフトはタスクバーに集中しています。

システムに関わるものが多いせいか、ソフトの動きは遅いです。そのせいか、PC自体の起動速度も遅いです。



処理性能

性能を大きく左右するであろうパーツは以下の通り。
  • Core i3-350M (2.26GHz, L3 3MB, 1066MHz, TB非対応)
  • Intel HD Graphics
  • 2GB PC3-10600 DDR3 (1スロット使用)
  • 250GB HDD, 5400rpm
以下はWindowsエクスペリエンスインデックス、CrystalMark2004R3、CrystakDiskMark3.0 の結果。




まあ、スペック通りの結果ですね。ハードディスクは出荷時にパーティション分けされていました。

他にもテスト。

HandBrakeでDVD(約2時間)をiPhone向けに変換してみました。設定はデフォルトのまま。およそ60分で完了しました。変換中はCPU使用率が100%でしたが、Google Chromeなどを同時に動かしても快適でした(Hyper Threadingのおかげか?)。

YouTubeの1080p動画はフルスクリーンでもスムーズでした。試しに2つ同時に再生してみましたが、処理落ちせず。3つ同時は流石に無理でした。画質を落としたらいけるかもしれませんが、3つ同時に再生するような状況なんてまずないので、問題ないでしょう。

MHFベンチもやってみました。
 997 (1280×720/ウィンドウ)
 941 (1360×768/フルスクリーン)
まあ、Core i3とIntel HD Graphicsの組み合わせならこの程度でしょう。3Dゲームには向きませんね。そもそもゲーミングPCじゃないですし。

高負荷時にはファンの音はハッキリと聞こえますが、それ以外は気にならないレベル。また、高負荷時にはパームレストが熱くなるので、不快な人もいるかもしれません。



総評

Deleteは右上がよかった
残念だったのは、Deleteキーの位置だけかな。Delete以外に特に不満はないですね。タッチパッドは使いづらいですが、トラックポイントで代用できるので問題なし。寧ろ、トラックポイントに慣れると他のパソコンで苦労するかも。

L412のメリットは、
  • Core i3/i5搭載可能
  • 非光沢液晶
  • 心地良いキーボード
  • UltraNav
  • 指紋センサー
  • 高い拡張性
  • 大容量バッテリー
をこの価格(73,395円)で実現していること。さらに直販のeクーポンを使えば63,395円まで下がります。また、トラックポイントや指紋センサーを搭載しているPCは非常に少ないです。これらに魅力を感じる人は、ThinkPad以外の選択肢はないでしょう。

予算に余裕があり、より高性能なThinkPadが欲しい人は上位のTシリーズがオススメです。


余談

指紋センサーに指を登録させるのに苦労しました。指を押し当てるのではなく、指でなぞるようにするんですね。指紋センサーなんて人生で初めて使いましたよ。

あと、私は写真撮るの下手です。公式サイト等で見られる部分は写真うpしませんでした。

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